可能性とか未来とか意志の力だとか
僕たちは可能性をすてつづけている。ごく自然に。それも大量に。たとえばそれは、踏みださなかった足だったり、曲がらなかった角だったり、選ばなかったメニューだったりする。電車でとなりに座ったきれいな人に声をかけて知り合いになるなんてことも可能性としてはありうるがそんなことはしない。
でもと思う。そういう可能性をじゃんじゃかじゃんじゃかすてつづけるのと同時に選択しつづけてきた一瞬一瞬というのは、ほとんど意識されることなくすてられていったたくさんのなかから残された唯一の可能性という意味で、あるいはかけがえのない必然なのかもしれないのだと。
そしていまも。目のまえの一瞬も。
ほとんど意識していなかった可能性の存在を、ほんのちょっと意識してみるだけで、その広がりの一端を感じられるような気がする。そして、ほんのちょっとの意志みたいなものさえあれば、意外と未来ってかんたんに変えられるんじゃないか?って思えるほど、目のまえは可能性に満ち満ちている。